働く女性の4人に1人が流産している?全労連のアンケート結果の本当の意味を読み解こう
「働く女性の4人に1人は流産を経験している」という、全国労働組合総連合(全労連)のアンケート調査結果が発表されました。
妊活女性として、流産経験者として、とても気になる数字です。
調査結果の内容や、その数字から読み取れることについて、紹介したいと思います。
全労連の妊娠・流産に関するアンケート結果
全労連が5年ごとに実施している、女性労働者の実態調査。
2015年版となる今回発表されたのは、2011年以降に妊娠・出産を経験した、全国の働く女性2909人のアンケート調査結果です。
気になる結果は次のとおり。
- 過去に流産を経験した女性 … 23.2%
- 切迫流産・早産を経験した女性 … 27.5%
- 妊娠の経過が順調だった女性 … 33.9%
流産を経験した女性は4人に1人。
妊娠後も、経過が順調だと答えた女性は3割程度で、10人中7人の女性は、妊娠中に何らかのトラブルを経験したことが示されています。
ここで少し用語の補足をしておくと、切迫流産というのは流産ではありません。切迫流産とは、流産になる可能性がある状態のこと。
妊娠中に切迫流産と診断された場合は、安静にしたり、適切な薬を投与することで流産を予防します。
流産経験率23.2%という数字から読み取れること
働く女性の流産経験率23.2%という数字をどう見るか。
これには、まず、通常での流産率も知っておかなければ比較になりませんよね。
実は自然流産の確率というのは意外と高くて、全妊娠の約15%は流産になります。
流産率は年齢とともに上がり、40代では妊娠しても約半数が途中で流産してしまうので…
このアンケート結果だけでは、単純に、働く女性は流産しやすい、とまでは言えないでしょうね。年齢別での流産率がわかればよいのですが、そのデータは見当たりませんでした。
それに、妊娠初期の流産は、受精卵の時点で染色体異常があり、そもそも受精卵に胎児として育つ力がないために起こる流産がほとんど。
初期流産は、医学や母体の努力では防ぎようがありません。誰の身にも等しく、確率で発生するもので、誰のせいでもないのです。
ですから、働く女性たちが流産した時期がいつなのかも合わせて見ないと、やはり働く女性が流産しやすいという見方はできません。
妊娠中期以降に入ってからの流産率が高いのであれば、仕事での無理がたたってということになりますが、流産の時期に関する結果も見当たらなかったので。
そうした点では、ちょっと誤解を招きやすいアンケート結果でもあるのかな?と思います。働く女性の妊娠や、妊娠中の職場環境に関心が集まることは、とっても良いことなんですけどね。
全労連のアンケートが訴えたかったことは…?
さて、ここでは流産にフォーカスして数字の見方を説明しましたが、全労連のアンケートは、流産のみに焦点を絞ったものではありません。
妊娠中に女性が利用できる制度の認知度の低さや、産休・育休の取得が不十分である実態を明らかにしています。
おそらく、アンケート結果から訴えたかったのは上記の内容のほうなのでしょうが、ニュース上では4人に1人が流産という数字のほうがインパクトがあり、そちらが取り上げられてしまったのでしょうね。
どのメディアでも、流産確率がそもそも15%以上あるということには触れられていないのが残念です。
流産経験のある身としては、このアンケート結果やニュースを見て、私が仕事していたばっかりに流産したんだ、と自分を責めてしまう女性がいないようにと願います。
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