葉酸には流産予防効果もあった!?妊娠前の葉酸サプリで流産率20%低下の調査結果

四葉のクローバーを握りしめた赤ちゃんの手の写真葉酸には、胎児の先天性奇形を予防する効果があることが知られています。

このことは世界中で広く実証されていて、日本でも妊娠を希望する女性には葉酸の摂取が推奨されています。

葉酸の効果について詳しく知りたい人は、関連記事をご覧くださいね。

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2014年のアメリカの専門誌で、葉酸にはさらに流産を予防する効果もあることが期待される調査結果が掲載されました。

一度流産を経験した身としても、とても気になる内容だったので紹介します。

妊娠前の葉酸サプリメント摂取で流産リスクが低下。ハーバード大学公衆衛生大学院の研究結果

ご紹介するのは、アメリカのハーバード公衆衛生大学院で1992年から2009年にかけて実施された、看護師健康調査II(Nurses’ Health Study II)の調査データのひとつです。

この調査は、過去に流産歴のない看護師女性11072人・総妊娠数15950回を対象に、妊娠前の葉酸の摂取量毎の流産率を比較したもの。

その結果は次のとおりでした。

  • 妊娠前から葉酸を摂取していた女性の流産率は、有意に低い
  • 最も流産率が低いのは、サプリメントから葉酸を摂取していた女性群
  • 葉酸を摂取していないグループの流産リスクを1とすると、葉酸サプリメントを最も多く摂取したグループの流産リスクは0.8に低下した

データ出典)
Obstetrics & Gynecology 2014年124号掲載、Maternal Prepregnancy Folate Intake and Risk of Spontaneous Abortion and Stillbirth

この調査における流産率は、全体で17.3%。

そして、最も流産率が低かった妊娠前からサプリメントで葉酸を摂取していたグループの流産率は13.8%でした。

パーセンテージで見ると、たった数パーセントの違いに見えるかもしれませんが、割合でいくと、1あったリスクが0.8に低下したということで…

つまりは、流産リスクが20%低下したという結果です。

流産リスクの低下以前に、流産率の高さに驚いた人もいるかもしれないのですが、全妊娠の15%は自然流産になります。

さらに、女性の年齢とともに流産率は上がっていくので、調査対象の女性に幅広い年齢層が含まれていたことを考慮すると、17.3%というのはまったく不自然な数字ではありません。

関連記事)
全妊娠の15%は自然流産という事実。年齢が上がるほど、流産率もさらに上がる≫

妊活に摂取する葉酸は、天然より合成のほうが優れている

分子模型の写真葉酸が流産予防にも効果があるという結果は、流産経験者としては、とても嬉しい情報です。

初期流産のほとんどは母体の努力や医学で防ぐことはできないのですが、流産リスクを減らすために、少しでも自分でできることがあるのだとしたら、やらない手はありません。

アメリカと日本の食生活の違いはありますが、葉酸はもともと食物からの摂取が難しい成分であることを考えると、そう大きな違いは出ないのではないでしょうか。

注目すべきは、流産率が最も低かったのは、葉酸を食事で摂取していたのではなく、「サプリメントで」摂取していたグループであるという点。

葉酸は食品にも含まれていますが、とても吸収効率の悪い栄養素。それに、胎児の障害予防効果が実証されているのも、実は合成葉酸のみで、天然葉酸の効果については確たるデータがありません。

意外なようですが、厚生労働省が摂取を呼びかけているのも、天然ではなく合成の葉酸です。

葉酸サプリメントを選ぶ時は、天然と書かれているもののほうがイメージが良く、そちらを選ぶ女性のほうが多いのではと思います。

でも、妊活や流産予防のために葉酸サプリメントを飲むのなら、天然葉酸は未だ効果の根拠が薄い成分だということを知っておきましょう。

天然葉酸と合成葉酸の違いについては、下記の記事でも詳しく触れていますので、葉酸サプリメントの購入を検討している方は、こちらも参考にしてくださいね。

えっ意外!妊活用の葉酸サプリは、天然よりも合成がいい!≫

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