ピニトールはPCOSによる不妊に効果あり。海外の研究データを交えて解説します

アイスプラントの写真日本ではまだあまり知名度がありませんが、不妊改善効果があるとして海外でサプリメント化されている成分に、ピニトールがあります。

ただ、ピニトールは飲めば無条件に妊娠の確率を上げてくれるという成分ではありません。

ピニトールが効果的だと考えられるのは、次のような女性。

  • PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)、あるいはPCOS気味だと診断された
  • 生理不順である
  • 排卵障害(無排卵、排卵が不定期)がある
  • 基礎体温が二相にならない

あなたが上記の症状に当てはまるのであれば、ピニトールが不妊の原因を改善し、自然妊娠を助けてくれる可能性があります。

ピニトールはなぜ、不妊症の改善に貢献するのか?

日本では、その根拠を示したページや記事はまだ少ないように見受けられましたので、ピニトール研究が進んでいる海外の研究報告をもとに、ピニトールが不妊症の改善に効果がある理由についてまとめました。

不妊の原因、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

2つ並んだ丸いビー玉の写真ピニトールを語るには、まず多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について知る必要があります。

多嚢胞性卵巣症候群は、女性の不妊原因の筆頭に挙げられる排卵障害のひとつ。

 

卵子は卵胞という袋に包まれていて、月に1回この袋が破裂して排卵が起こります。

PCOSは袋が破裂せずに何個も溜まってしまい、生理不順(生理周期が35~60日などと、異常に長い)や排卵障害が起こる状態。

生理が来ていたとしても無排卵だったり、生理不順のために排卵日が不定になるなどの問題があります。

 

排卵が起こらなければ妊娠はありえないので、不妊の大きな原因になりますが、重篤な自覚症状がないゆえに、自分がPCOSだと気付かないままの女性も少なくありません。

避妊をやめたのに妊娠しないと悩んで婦人科を受診した女性がPCOSだったというケースも多く、当サイトにもたくさんの体験談が寄せられています。

多嚢胞性卵巣の体験談一覧を見る≫

 

ピニトールが不妊改善に注目されているのは、この多嚢胞性卵巣に対する治療効果が認められたため。

PCOSが改善すれば排卵が正常化するため、自然妊娠の確率向上にもつながります。

では、なぜピニトールにPCOSを改善する効果があるのか、その理由とメカニズムを詳しく追ってみましょう。

PCOS女性はカイロイノシトールが不足している

ピニトールはビタミンBの一種で、野菜や果物に存在する天然成分です。

人間の体内に入ると、最終的にカイロイノシトールという物質に変換されるのですが、PCOSの女性にはこのカイロイノシトールが不足しており、その結果、次のような異常が起こっていると考えられています。

  • インスリン抵抗性(インスリンは分泌されるが、正常に働かない)と、それに伴う高血糖
  • 女性ホルモンバランスの異常と、それに伴う排卵障害
  • 男性ホルモン値の異常と、それに伴う男性化症状(ニキビ、脂性肌、毛深くなる、声が低くなる)

ピニトールは、PCOS女性に欠乏するカイロイノシトールを補い、インスリン機能を正常化させることで排卵機能を向上させます。

それを裏付ける、海外の研究結果をいくつか紹介しましょう。

カイロイノシトールがPCOSを改善したという研究報告

  • 肥満傾向のあるPCOS女性44名に1日1200mgのカイロイノシトールを6~8週間投与した結果、インスリン抵抗性と血圧が大幅に改善。男性ホルモンであるテストステロンの値も下がった。
  • 標準体重のPCOS女性に1日600mgのカイロイノシトールを6~8週間投与した結果、テストステロン値が73%低下し、インスリン抵抗性も改善した。

インスリンと聞くと、糖尿病を思い浮かべる人も多いと思います。

PCOSが関係しているインスリンは、糖尿病のインスリンと同じもので、太った人に糖尿病やPCOSが多いという点も共通。

ただし、太っているとPCOSになりやすいという因果関係は指摘されているものの、必ずしも太った女性だけがPCOSになるわけでもありません。

そうした関係から、上記の研究では女性の体重にも考慮して試験を行ったと思われますが、体重に関わらず、カイロイノシトールでPCOSの症状が改善したという結果が出ています。

参考文献)
agana AS, Borrielli I, Barbaro L, Pizzo A (2013) Myo-Inositol Vs D-Chiro- Inositol: preliminary data on the comparison between their effects on ovarian function and metabolic factors in women with PCOS. Proceedings of The World Congress on Building Consensus out of Controversies in Gynecology, Infertility and Perinatology (BCGIP-cogi) (Istanbul, Turkey, 30th May  2nd June 2013).

Ovulatory and metabolic effects of D-chiro-inositol in polycystic ovary syndrome (1999) Department of Medicine, Medical College of Virginia, Virginia Commonwealth University, Richmond Virginia.

Effects of D-chiro-inositol in lean women with polycystic ovary syndrome (2002) Department of Medicine, Medical College of Virginia, Virginia Commonwealth University, Richmond Virginia.

ピニトールを摂取する方法

多嚢胞性卵巣が原因で妊娠できない女性にとって、嬉しい効果が期待できるピニトール。

どうすれば摂取できるのでしょうか?

 

ピニトール自体は、大豆、ルイボス茶葉、アイスプラントなど、身近で買える食材にも含まれています。

しかしその含有量は微量で、PCOS改善に有用と思われる量を食事から摂るのは非現実的。

日本で販売されているピニトールのサプリメント含有量は1日あたり300mg前後ですが、これを食品に換算すると豆乳なら1L、ルイボスティーならカップ100杯に相当します。

とても毎日飲める量ではありませんね(^_^;)

 

無理なく有用量のピニトールを摂りたいのであれば、サプリメントほぼ一択になるでしょう。

最後に、日本ではまだ珍しい、ピニトール配合の妊活サプリを2つ紹介します。

(糖尿や高血糖の方用のサプリを除けば、妊活女性向けのピニトール配合サプリは現時点でこの2つくらいだと思います)

ピニトール300mg配合「ママナチュレ」

葉酸サプリママナチュレの商品写真ピニトール300mg、マカ300mg、葉酸400ugなどを配合した妊活サプリ。

2016年に発売された比較的新しい商品で、これひとつでOKなオールインワン妊活サプリを目指したとあり、人気の成分が大集合している印象です。

価格は7980円で、定期コースなら初回3980円。

ただし、定期は6回以上の継続が条件で2回目以降は4980円。

実質的には約28000円の買い物になるので、それを了承のうえで注文してくださいね。

ピニトール配合サプリ「ママナチュレ」の詳細ページへ≫

ピニトール260mg配合「ベジママ」

葉酸サプリベジママのボトル写真葉酸やマカではダメだった女性のために、というコンセプトで開発され、日本で初めてピニトールを配合した妊活サプリ。

ピニトール260mg、葉酸400ug、ルイボス50mgなど、「これから妊娠したい女性」をサポートする成分が厳選して配合されています。

定価は5500円で、定期初回は2750円。

2回目以降は4680円になりますが、定期1回でも解約できるので、妊活サプリの中でも買いやすい仕組みと価格だと思います。

自社工場で原料栽培しているというピニトールへのこだわりについては、公式HPでチェックしてみてください。

ピニトール配合サプリメント「ベジママ」公式HPへ≫

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