流産を経験して思ったこと

白い手すりに置かれた小さな花束の写真稽留(けいりゅう)流産という、お腹の中で胎児の成長が止まってしまう流産を経験して、約半年。

今では気持ちもだいぶ落ち着き、もしかしたらこれで良かったのかもしれないとも、思えるようになりました。

もちろん、流産という悲しい経験は、しなくて済むのであれば、絶対にそのほうが良いのですが…。

私たち夫婦にとっては、流産が教えてくれたこともたくさんあります。

流産というのはごく一部の人に起こる特別な出来事ではなく、ただ知らないだけで多くの女性が経験しているし、誰しもに起こり得る出来事であること。

子供を授かり、その子供が無事にこの世に産まれてくるのは、大変な奇跡なのだということ。

私たちは子供が欲しいという願望があまりなく、単に私が35歳になったからという理由で妊活をスタートしました。

自分たちが子供を望んでいたというよりは、親に孫の顔を見せられないのは申し訳ないという気持ちのほうが強かったくらいです。

もし女性が妊娠できる年齢にリミットがないのであれば、妊活はしていなかったでしょう。

なので、最初の妊娠がわかった時も、喜んだというよりは、2人して戸惑う気持ちのほうが大きかったのです。

正直、子供を持つということのイメージがあまり持てず、自分に母性というものが備わっているのかどうか、不安すら覚えました。

でも、そんな私でも、流産が確定した時には、想像以上のショックを受けました。

内診台の上で流産を告げられ、紹介された病院で流産確定の最終宣告を受けた時は、それこそ頭が真っ白で。

現実が受け入れられず、稽留流産と診断された7週目時点の胎児の成長について必死に調べたり、妊娠や流産の経験談を1日中読み漁ったりしていました。

もしかしてまだ希望はあるのではないか?とすがる気持ちと、調べれば調べるほど、もう可能性はないのだとうっすらと飲み込めてきて、でもそれを認めたくない気持ち。

妊娠さえすれば赤ちゃんは無事に産まれるものだと、何の疑問も持っていなかった自分を呪いました。

流産手術後の焦り

黒い布が渦のようにひだを寄せている写真流産にも何種類かあり、おおまかに言うと出血と共に胎児が流れてしまうもの、自覚がないまま胎児の成長が止まってしまうものがあります。

私の場合は後者で、出血も痛みもないまま、胎児の成長が止まっていました。

そのままにしておくと突然出血する可能性があるということで、稽留流産が確定してすぐ、流産手術を受けました。

手術自体はごく短時間で済むものでしたが、子宮が再び妊娠できる状態まで回復するには、長い時間がかかります。

流産した週数や病院の方針によっても期間は異なると思いますが、私は手術後2回の生理を見送るように指示を受けました。つまり、流産手術から最低2ヶ月間は、妊活は禁止です。

2015年3月に手術を受け、その後の術後検診で妊活OKをいただいたのは5月の終わり。

この2ヶ月間は長く、もどかしく、私を焦らせました。こうしている間にも、どんどん年を取り、卵子が老化して、妊娠できる可能性は下がっていく。

そのことがとても怖かったです。もう一度妊娠できるかどうかなんて、わからない。もしかしたら、もう妊娠できないかもしれない。

ただ、その怖さゆえに、妊娠するためにはどうすればいいのかということに、真剣に向き合えたということもあります。

今まではただなんとなく産婦人科に通院してタイミング指導を受けていましたが、不妊治療には他にどんな種類があるのか、自宅でできることはないのかを必死に調べ、体が回復したらこうしてみよう、ああしてみようという話を夫とも重ねました。

妊娠や子供に対する意識の変化

自分たちの子供を持つということに対しては、劇的に意識が変わりました。

子供がこの世に生まれてくるということは、本当に奇跡に近いこと。

それがわかって、子供や命という存在そのものを、とても大切に感じるようになりました。

次があるかはまだわからないけれど、もしまた新しい命を授かることができたら、とにかく無事に生まれてくれればいい。それ以外は何も望まない。誰よりも愛し、守り、育ててあげたい。

そう思うようになりました。

子供が欲しいという願望があまりなく、母性本能も希薄な私にとって、これはとても大きな変化でした。

不幸は、自分と誰かの比較をするから感じること

もうひとつ、流産後しばらくして考えたことは、幸せと不幸の感じ方、です。

私は流産した直後、たくさんの流産経験談を読み漁りましたが、2人目不妊の方の経験談は読みたくありませんでした。

あなたはもう1人産んでいるんだからいいじゃない。1人も子供がいない私とは違うのに。

そんな気持ちになってしまったからです。

これって、流産に限ったことではないなあと、ある時ふと思いました。

恋人が欲しいのにできない人にとっては、でも恋人はいるんだからいいじゃない。

結婚したいのにできない人は、でも結婚はできたんだからいいんじゃない。

不妊に悩んでいる人は、でも一度は妊娠して流産できたんだからいいんじゃない。

私にはできないことをすでに実現しているあなたはいいわよ、幸せだわ。…私はできないのに。不幸なのに。

そんな風に、みんな自分と誰かを比較して、自分が幸せか不幸かを決めてしまっていることがあるんじゃないかと、そう思ったのです。

私が2人目不妊の方の話を読みたくなかったのも、それが理由。あなたはいいじゃない、って思ってしまった。

でも、この考え方って危険ですよね。

今ある幸せを忘れてしまう。誰かの悲しみや苦しみを理解することを忘れてしまう。どんな状況であれ、その人が辛い、苦しいと感じる心の痛みに違いはないのに。

幸せって、誰かとの比較をして得る、そういうものじゃないのに。

きっと、心が弱っている時ほど、こうして自分を不幸にしてしまうのだと思います。

これからまた妊活を再開するにあたり、焦りから、自分で自分を不幸にしてしまわないよう気をつけよう。

いつもそばに寄り添ってくれる夫への感謝と、夫と一緒に過ごせることの幸せを忘れないように、毎日を楽しもう。

流産を経て、そう考えるようになりました。

稽留流産の経験談記事一覧はこちら»

※流産の発覚から掻爬手術、術後の生理と妊活再開まで、一連の体験を記事にしています。

流産後が、私たち夫婦にとって本当の妊活スタートでした。

子宮を回復させるため2ヶ月休み、そこから2ヶ月で妊娠。

妊活の成果だったのか、流産後は妊娠しやすいというのは本当だったのか、予想より短期間で授かれたのは幸運でした。

下記はその時にしたこと・役立ったものと、なぜそれをしたのかという理由についてまとめた記事です。

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