排卵日が特定できちゃう!hCG注射とは

注射器とアンプルの写真妊活や不妊治療に使われる方法のひとつに、hCG注射という、ホルモン剤の注射があります。

hCG注射とは、一定時間後に強制的に排卵を起こすホルモン注射のこと。

hCG注射を使うと排卵日をほぼ正確に特定できるので、確実にタイミングを取ることができるのです。

 

私は、不妊治療専門ではないけれど妊活の相談ができる病院へ2つ行きましたが、1つ目の病院では、一度もこのhCG注射の話は出ませんでした。

一方、2つ目に訪れてみた病院では、初回からhCG注射を打つことを提案されました。

流産から回復したばかりで1日も早く妊娠をと焦っていた私は、最初にhCG注射の話を聞いた時「なんて便利なものがあるんだ!」と興奮気味だったのですが、家に帰って冷静に調べてみると、hCGの注射の使用については賛否が分かれている様子…。

有名な不妊治療クリニックでも、hCG注射を使うところと、絶対に使用しないというところがありました。

きっと、1つ目の病院はhCG注射は使わないスタンスだったんでしょう。

 

妊活中なら、早く妊娠したい気持ちは当たり前ですが、かといって体への良し悪しがよくわからない注射や薬を使うのにも不安があります。

それに、もし使うなら、自分で理解して納得したうえで使いたい。

そんなわけで、hCG注射とは何なのか、妊活にどんなメリットとデメリットがあるのかを調べてみました。

hCG注射の2つの効果とは?

たくさんの卵の中のひとつからハートのピックが出ている写真hCG注射のhCGとは、絨毛性性腺刺激ホルモンのこと。うーん、難しい単語ですね(^_^;)

hCGは妊娠が成立すると分泌されるホルモンで、排卵に関わる卵胞ホルモン、妊娠の継続に係る黄体ホルモンの分泌を促します。

それぞれのホルモン分泌により、hCG注射には次の2つの効果があります。

  • 排卵日を特定して、妊娠の確率を上げる
  • 受精卵の着床、妊娠の維持を助ける

まずは1つ目、排卵日の特定から説明しますね。

排卵日前にhCG注射を打つと、投与の24~36時間後に強制的に排卵が起こります。

つまり、病院でhCG注射を打った1~1日半後に確実に排卵が起こるので、注射した当日や翌日にタイミングを取ると、妊娠の可能性が高まるわけです。

私の場合はタイミング指導の一環としてhCG注射を勧められましたが、一般的にはクロミッドという内服薬による排卵誘発の効果がなかった場合や、女性に排卵障害がある場合などに使われるようです。

 

次に、hCG注射の2つ目の効果である、受精卵の着床と妊娠維持のサポートについて。

妊娠が成立すると黄体ホルモンが分泌されますが、体質的にこのホルモンの分泌が不十分であった場合、せっかく卵子と精子が受精しても、着床や妊娠の維持が難しくなります。

そのため、黄体ホルモンを補充し、妊娠が成立・維持することを助ける目的でhCG注射を打つこともあります。

hCG注射の副作用

注射器を持った手の写真hCGはもともと体内にあるホルモンですが、本来は妊娠して初めて分泌されるもの。

実際の排卵時に分泌されているのはLHというホルモンなのですが、LHはホルモン剤として合成することが難しく、代わりにLHと構造がよく似たホルモンであるhCGを使っているという背景があるそうです。

 

hCGで排卵を促すことは、体の自然なリズムやルールを強制的に変更するわけなので、やはり副作用やデメリットもあります。

主な副作用は、OHSSと呼ばれるもの。

日本語では卵巣過剰刺激症候群と言い、卵巣が過剰な刺激により腫れ、痛みや吐き気、腹水などの症状を引き起こします。

そして、妊活や不妊治療の現場でhCG注射の賛否が分かれている一番の理由は、hCGを打ち続けると生理周期が乱れ、卵子の成長や質に影響する可能性があるということ。

自然な排卵時に分泌されるLHが分泌されるのは短時間ですが、hCGは一度注射をすると、体の中に長く留まります。

そのため女性ホルモンバランスが崩れ、生理周期が乱れ、質の良い卵子が育たず、かえって妊娠しにくい体質になる…という悪循環に陥ってしまうという指摘があるのです。

 

このことについては病院や医師によっても見解が分かれているようで、一概にhCG注射が悪い、いや大丈夫、とは言えません。個人の体の状態や、使用する頻度にもよるでしょう。

ただ、hCG注射というものが何なのかを知らずに使い続けるのは、ちょっと怖いですよね。

私にhCG注射を勧めた病院では、こうした副作用についての説明が一切ありませんでした。

ただ単に、もう数日で排卵のタイミングだから、2日後にもう一度来てもらって注射を打ちましょう、とそれだけ。

そのことに不安を感じてしまったため、結局その病院には行かず、hCG注射は打ちませんでした。

 

この経験は、ひとくちに妊活・不妊治療と言ってもたくさんの考え方や治療方法があるんだということを知るきっかけにもなりました。

不妊検査や妊活カウンセリングなどで病院に行くと、そこで見聞きしたことがすべてのようになってしまいがちですが、病院や先生を選ぶことも大切なんだなと。

また、自分が何をされているのかをきちんと知ろうとすることも、同じく大事。

これから妊活する人は、気になることやわからない言葉が出てきたら、病院がしていることだからと流さず、きちんと確かめたり調べたりするようにしてみてくださいね。

 

なお、生理不順や排卵障害で悩んでいる人には、ピニトールという成分が有効だとされています。

妊活サプリというと葉酸が有名ですが、葉酸は妊娠確率を上げたり、排卵を整えてくれる成分ではありません。

詳しくはこちらの記事にまとめましたので、妊娠しやすい体作りをしたいという人は、お読みになってみてください。

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