不妊症の定義が「1年経っても妊娠しない」に変更へ
日本産婦人科学会では、不妊症を「避妊せずに性生活を行っているのに、2年間妊娠しないこと」と定義していましたが、2015年8月、この定義が変更されました。
変更になったのは、不妊症と判断されるまでの期間。
今までは2年間とされてきたものが、1年間に短縮され、1年間、性生活があるのに妊娠しない場合を不妊症と定義することになりました。
日本産婦人科学会の公式発表によると、「わが国において、女性の晩婚化やキャリア形成指向、その他の理由により女性の妊娠する年齢が上昇する中、不妊(症)の定義の変更により、女性がより早期に適切な不妊治療を受けることにつながると期待」される、とのこと。
医学的にどうこう、というわけではなく、女性の妊娠年齢の高齢化や、それに伴う不妊治療者の増加など、社会的な情勢を反映しての定義変更だったようですね。
なんか、不妊症の定義って意外と曖昧なんだな~という気もしないではないですが(^_^;)
曖昧と言えば、セックスの頻度も「通常の性交を継続的に行っている」というだけで、特に定義はされていないんです。
通常の範囲って人それぞれなので、週1回のセックスで1年間妊娠しないのと、週3回のセックスで1年間妊娠しないのとでは、また違うんじゃないかと思うんですけどね。
「不妊症」という名称から、具体的な理由のある病気をイメージしたくなりますが、実際には不妊の理由は人それぞれ。
ある特定の病気や障害ではなくて、「このまま妊娠しないのは、おかしいな」と気付き、医学的なチェックを受けるためのきっかけや目安みたいなものなのかもしれませんね。
不妊注意報、みたいな感じかな?
妊活や不妊検査に「まだ早い」は、ない!
個人的には、不妊症の定義が1年に短縮されることで、妊娠を真剣に考える時期が早まることは良いことだと思います。
妊活をスタートしてみてわかりましたが、妊娠はとにかく年齢と時間との戦い。
妊活に「まだ早い」や「早すぎる」はなく、早ければ早いほど良いと、心底思います。
私自身、もっと早くに妊娠や不妊の正しい知識を持っていたら、結婚式が終わるまでは避妊しよう、なんて悠長なことは絶対に考えませんでした。
今さら言っても詮ないことではありますが、結婚後すぐに不妊検査を受け、避妊も止めたでしょう。
実際、不妊治療クリニックに通う女性には、私と同じく年齢が上がることでいかに妊娠が難しくなるかを知らず、そろそろ欲しいと思った時には自然妊娠ができない年齢になってしまった女性が多いと聞きます。
無知であったがゆえに、絶対に取り戻せないものを失ってしまう、その代償は大きなものです。
今回の不妊症定義変更が、はたしてどれくらい世間で周知されているのかはわかりませんが…
1人でも多くの女性が、妊娠に向き合うきっかけになればと願います。